部門
生化・免疫検査
各検査項目を組み合わせて疾患の診断や経過を観察します。 主に自動分析装置を用いて測定します。
各検査項目
生化学編TP(総蛋白) 全身状態を判断する目的で検査します。総蛋白濃度が低下している場合は比較的重症と判断されます。 ALB(アルブミン) 肝臓で合成され栄養源となり栄養状態を表します。肝臓の機能が障害されたり、ネフロ-ゼなどで尿と一緒に蛋白質が失われている時に低下します。 A/G比(アルブミン・グロブリン比) A/G比から特定の疾患を推定することは出来ませんが、他の検査と組み合わせて病気の種類や状態を推測するために検査します。 T-BIL(総ビリルビン) 黄疸の指標になります。 D-BIL(直接ビリルビン) 急性肝炎や総胆管結石などで上昇します。 AST[GOT]
ALT[GPT]
(トランスアミナ-ゼ) 心臓や肝臓の細胞の中にある酵素で、ASTは肝臓や心筋などに多く含まれ、ALTは主に肝臓に多く含まれています。病気で細胞が壊れると血液中に大量に出てきます。肝炎・肝硬変・脂肪肝・胆管炎・胆石症・心筋梗塞・溶血性疾患などで高値を示します。 ALP(アルカリホスファタ-ゼ) 肝臓・骨・小腸・胎盤の働きに関係があるとされている酵素で、肝臓や骨の病気・妊娠している時に上昇します。但し小児の場合は骨が盛んに作られるため高値になります。 LDH(乳酸脱水素酵素) 肝臓・腎臓・肺・心臓・筋肉・赤血球などに含まれる酵素で、病気などでこれらの臓器の細胞が壊れると血液中に流れ出し値が上昇します。 γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダ-ゼ) 閉塞性黄疸や肝臓障害などで上昇する酵素です。 病気がなくても長期飲酒によって上昇する事がよく知られています。 CH-E(コリンエステラ-ゼ) 肝臓で合成される酵素で、肝臓が障害を受けると低値になります。 また有機リン系薬剤により活性が低下するので中毒の指標となります。 T-CHO(総コレステロ-ル) コレステロ-ルは細胞の重要な成分です。さらには各種ホルモンの原料になります。しかし、血液中に多くなりすぎると動脈硬化の原因になります。家族性に高い場合やネフロ-ゼ症候群でも高くなります。 BUN(尿素窒素) 食物、特にタンパク質の最終産物(老廃物)で、腎臓の働きが悪くなったときに増加します。また、火傷や高熱・大量のタンパク質を摂取したときも増えることがあります。 CRE(クレアチニン) 筋肉が活動したときに出来る物質で、腎臓から排泄されます。一日に作られる量はほぼ一定です。このため、腎機能の判定に利用されます。腎臓の機能が低下すると血液中に増えます。 UA(尿酸) 肉・豆・貝などタンパク質が豊富な食物はプリン体が多く含まれています。このプリン体から核酸が作られ尿酸になります。尿酸が増えすぎると関節に沈着し、痛風の原因になります。 AMY(アミラ-ゼ) でん粉やグリコ-ゲンを分解する酵素で、膵臓や唾液腺でつくられます。膵臓・唾液腺などに炎症があるとその臓器の細胞が壊れて、血液中にアミラ-ゼが放出され高値になります。 P-AMY(膵型アミラーゼ) P型アミラーゼは、アミラーゼのアイソザイムのひとつで、膵(Pancreas:膵臓)に多く存在し、膵疾患で上昇します。 GLU(血糖) 生体の重要なエネルギ-源でインスリンなど各種ホルモンにより調節され、血液中の濃度はほぼ一定に保たれています。しかし、調節因子の機能に支障をきたすと 血糖値は異常になります。糖尿病・甲状腺機能亢進症などで高値を示します。インスリン分泌過剰・副甲状腺機能不全・肝硬変・悪性腫瘍の一部などで低値にな ります。 CK(クレアチンホスホキナ-ゼ) 筋肉・心筋・脳に含まれる酵素で、筋肉・心臓などの病気で血液濃度が高くなります。また、激しい運動後や日焼けなどによっても高値になることがあります。 CK-MB CKのアイソザイムのひとつです。CK-MBは心筋特異性が高く、総CKに占めるCK-MB比率が10%を超える場合には心筋梗塞(傷害)が強く疑われます。 Na(ナトリウム) Naは体液の量や浸透圧の調節をします。欠乏すると脱水症、過剰になると浮腫(むくみ)の原因になります。 K(カリウム) 神経細胞が正常に働いたり、筋肉の収縮がうまくいくようにします。しかし、多すぎると重篤な不整脈を引き起こします。嘔吐・下痢などで低値を示します。腎不全などで高値になります。 Cl(クロ-ル) 身体のpH(ペ-ハ-、酸塩基平衡)や浸透圧を調節する役割があります。水分の代謝異常(浮腫・嘔吐・下痢など)や酸塩基平衡異常の疑いがあるときに検査します。
Ca(カルシウム) カルシウムは骨の構成主成分であることは知られていますが、細胞の情報伝達や細胞の増殖、ホルモン・胃液・膵液の分泌や生成に関係します。副甲状腺や骨の病気、腎不全などで異常値を示します。 IP(無機リン) カルシウムの代謝と密接な関係があります。また、各種の内分泌・骨代謝異常が疑われるときに検査します。 Mg(マグネシウム) マグネシウムは、細胞内に多く存在し、生命維持に必要不可欠なミネラルで、主に遺伝子の合成や神経・筋における情報伝達などに働きます。低くなりすぎると心室性不整脈、高くなりすぎると筋緊張の低下や呼吸抑制が起き、重篤な場合は呼吸停止・心停止に至ることがあります。 TG(中性脂肪) 食物として摂取される脂肪の大部分は中性脂肪で、エネルギ-源になります。動脈硬化の因子としても注目されています。糖尿病・肥満など糖・脂質代謝異常を起こす疾患で診断や治療の経過判定に利用されます。 HDL-CHO(HDLコレステロ-ル) 一般的には善玉コレステロ-ルとも呼ばれている。末梢の組織からコレステロ-ルを取り除く働きをします。低HDLコレステロ-ル血症は虚血性心疾患や脳血管障害など動脈硬化性疾患の危険因子とされています。 LDL-CHO(LDLコレステロ-ル) 一般的には悪玉コレステロ-ルとも呼ばれ冠動脈疾患の危険因子とされています。また高コレステロ-ル血症などでも高値を示します。 Fe(血清鉄) 体内の鉄の2/3は赤血球のヘモグロビンに含まれています。血清鉄を測定することにより鉄の欠乏や過剰など鉄代謝異常が推測できます。 フェリチン フェリチンは、鉄を結合して貯蔵するための蛋白です。肝・脾・骨髄・胎盤などの組織に広く分布し、組織内の貯蔵鉄量を反映します。鉄欠乏状態では低く、鉄過剰状態では高くなります。 CRP(C反応性蛋白) 生体内の組織の破壊などの障害がある時に、炎症反応のひとつとしてCRPが速やかに上昇します。また、炎症の沈静化にともない消滅します。感染症・腫瘍・外傷・虚血・自己免疫疾患などあらゆる炎症や組織障害の存在と程度を推測するための検査です。 NH3(血中アンモニア) NH3はアミノ酸の代謝産物で肝臓で尿酸に合成され、腎臓から体外に排泄されます。肝臓の解毒機能が低下すると血中アンモニアは増加します。肝臓機能の重症度を推測したり、肝性昏睡時の病態把握にも利用されます。 HbA1c(ヘモグロビンA1c) 糖尿病治療の重要な検査です。糖尿病といわれたら定期的にこの検査を受け、より良い血糖コントロールを続けましょう。目標は7%未満です。
免疫・血清検査RF(リウマチ因子) 慢性関節リウマチの時に現れる自己抗体です。慢性関節リウマチでは特に高値を示しますが、膠原病・肝疾患・肺結核などでも数値が上昇するときがあります。 MMP-3(マトリックスメタロプロテイナーゼ-3) MMP-3は関節の滑膜破壊や滑膜増殖を反映して血中濃度が増えるので、関節リウマチにおいては滑膜炎の指標として有用で、治療経過観察などに用いられます。 KL-6(シアル化糖鎖抗原KL-6) 間質性肺炎の診断マーカー、活動性の指標として使用されています。 IgG(免疫グロブリンG) タンパク質の一種で免疫抗体・感染性を失わせる中和抗体・細菌を捕捉するのを助ける働きや補体活性因子の役割をします。膠原病・慢性感染症・悪性腫瘍・多発性骨髄腫などで高値になります。無γ-グロブリン血症・重症免疫不全症・ネフロ-ゼ症候群などで低値を示します。 IgA(免疫グロブリンA) 唾液・涙液・鼻汁・気道・乳汁などの分泌液にも含まれています。局所免疫を中心に感染防御や食物アレルギ-の予防に役に立っています。IgA腎症・IgA骨髄腫・慢性肝炎などで上昇することが多い。ネフロ-ゼ症候群・ステロイド剤連用で低下します。 IgM(免疫グロブリンM) 細胞の分化や抗体産生を促す働きがあり、免疫機能の発現に重要な役割を果たします。慢性関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患や感染症、肝疾患で増加します。 C3(補体第3成分) 蛋白質の一種で細菌などの感染防御や炎症反応に重要な働きをします。感染症・炎症・悪性腫瘍で増加します。糸球体腎炎・慢性肝炎・肝硬変・全身性エリテマト-デスなどで減少します。 C4(補体第4成分) C3と同様に細菌などの感染防御や炎症反応に重要な働きをします。 全身性エリテマト-デス・慢性肝炎・劇症肝炎などで減少します。 IgE(免疫グロブリンE) アレルギー症状や寄生虫感染と密接な関係があります。花粉症などのアレルギー性鼻炎や気管支喘息、寄生虫感染などで高値を示します。 HCV抗体(C型肝炎ウイルス抗体) かつては肝炎を起こす非A非B肝炎ウイルスと呼ばれていたほとんどがC型肝炎ウイルスの持続感染によるものであることが明らかになり、陽性の場合は感染が疑 われます。肝硬変や肝癌に移行することがあるので注意が必要です。感染源としてはC型肝炎ウイルスを含む人の血液で、何らかの経路を介して人の血液に入る と感染します。 HBs抗原(B型肝炎ウイルス抗原) 肝炎を起こすB型肝炎ウイルスに感染の可能性が高い場合は陽性となり、感染源としてはB型肝炎ウイルスを含む血液で、何らかの経路を介して血液に入ると感染します。 HBs抗体 B型肝炎ウィルスに対する防御抗体として知られています。過去に感染経験がある場合に陽性となります。これを応用したのがHBワクチンで、医療従事者や救急隊員、警察官などは、HBワクチンの予防接種を行うことでB型肝炎の感染を予防しています。 HBc抗体 B型肝炎の感染状態を知るための検査で、感染既往がある場合は、陽性になります。 梅毒定性検査(梅毒定性検査) 梅毒の感染の有無を調べます。 HIV抗原・抗体 AIDS(エイズ)を起こすウイルスに感染している可能性が高い場合は陽性となり、感染源としてはエイズウイルスを含む血液で、何らかの経路を介して血液に入ると感染します。 HTLV-1抗体(ヒトT細胞白血病ウィルスI型抗体) ATL(成人T細胞白血病)を起こすウィルスに感染している可能性が高い場合に陽性になります。 CEA(癌胎児性抗原) 主に大腸癌・食道癌・胃癌・すい臓癌・肺癌・膀胱癌・消化性潰瘍などで高値になります。また、潰瘍性大腸炎等の炎症性疾患やヘビースモーカーでも高値になります。 AFP(α-フェトプロテイン) 主に原発性肝細胞癌・肝硬変症・卵巣癌・精巣の悪性奇形腫・小児の胎児性癌などで高値になります。 PIVKAⅡ PIVKAⅡは異常な血液凝固因子(凝固因子プロトロンビンの前駆体)です。健康な人の血液中には存在せず、ビタミンKの欠乏時や、肝障害、肝細胞がんなどのときに血液中に出現します。ただし、ワーファリンなどの抗凝固剤を服用や、アルコール多飲でも検査値が上昇します。 CA 19-9(CA 19-9) 主に膵癌・胆嚢や胆管などの胆道系の癌などで高値になります。 SCC(SCC抗原) 主に肺癌、子宮頸部癌、食道癌、頭頸部癌などで高値になります。 CA15-3(CA15-3) 主に乳癌のときに高値になります。 CA125(CA125) 主に卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、子宮内膜症などで高値になります。 PSA(前立腺特異抗原) 主に前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺炎などで高値になります。 TSH(甲状腺刺激ホルモン) 下垂体前葉から分泌されるホルモンで、甲状腺を刺激してT3(トリヨードサイロニン)T4(チロキシン)分泌を促します。甲状腺機能低下症(橋本病など)では高値を、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では低値を示します。 FreeT3(遊離トリヨードサイロニン) 甲状腺ホルモンの一種です。甲状腺機能亢進症では高値を、逆に甲状腺機能低下症では低値を示します。 FreeT4(遊離チロキシン) 甲状腺ホルモンの一種です。甲状腺機能亢進症では高値を、逆に甲状腺機能低下症では低値を示します。 BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド) BNPは、心臓(主に心室)で生合成され、心室負荷や心筋肥大、心筋虚血により分泌が亢進します。 NT-proBNP BNP同様に心不全マーカーとして用います。 高感度TnI(トロポニンI) TnIは心筋障害に優れたマーカーで、心筋障害時の異常値を初期から長期間検出できるため、急性冠症候群(ACS)患者さんの微小心筋障害や心不全患者および慢性透析患者さんの潜在性心筋障害を検出することができます。 PCT(プロカルシトニン) 敗血症(細菌性)の鑑別診断および重症度の指標とされています。
全身性感染症、特に細菌感染症でプロカルシトニンの血中濃度は上昇し、ウィルス性感染症や慢性炎症疾患、自己免疫疾患では通常上昇しない。 NGAL好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin:NGAL) 急性腎障害(AKI)の指標として用います。検体は尿です。 LH(黄体形成ホルモン) LHとFSHは性腺刺激ホルモンともいわれ、ともに脳下垂体前葉から分泌され、どちらも卵巣を刺激するように動きます。このLHとFSHを測定することで、脳下垂体や性腺機能の異常がチェックできます。 FSH(卵胞刺激ホルモン) LHとFSHは性腺刺激ホルモンともいわれ、ともに脳下垂体前葉から分泌され、どちらも卵巣を刺激するように動きます。このLHとFSHを測定することで、脳下垂体や性腺機能の異常がチェックできます。 E2(エストラジオール) E2は卵巣、胎盤で産生されます。女性では卵巣の成熟に伴い年齢とともに増加し、妊娠の際には著増しますが、更年期とともに減少します。卵巣胎盤機能が低下している疾患ではE2は低下します。 HCG(ヒト紱毛性ゴナドトロビン) HCGは妊娠の診断や経過観察、あるいは異常妊娠の診断や治療後の経過観察に用いられます。HCG高値は、妊娠か紱毛性腫瘍、または非紱毛性腫瘍による異所性HCG産生です。 ビタミンB12(VB12) ビタミンB12は造血ビタミンのひとつであり、欠乏すると貧血、特に巨赤芽球性貧血を起こします。 葉酸 葉酸はビタミンB12とともに増殖細胞におけるDNA合成の円滑な進行に不可欠な物質で、欠乏するとビタミンB12欠乏と同様、巨赤芽球性貧血を起こします。また、舌炎や胃腸症状が強く出現します。
TP(総蛋白) | 全身状態を判断する目的で検査します。総蛋白濃度が低下している場合は比較的重症と判断されます。 |
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ALB(アルブミン) | 肝臓で合成され栄養源となり栄養状態を表します。肝臓の機能が障害されたり、ネフロ-ゼなどで尿と一緒に蛋白質が失われている時に低下します。 |
A/G比(アルブミン・グロブリン比) | A/G比から特定の疾患を推定することは出来ませんが、他の検査と組み合わせて病気の種類や状態を推測するために検査します。 |
T-BIL(総ビリルビン) | 黄疸の指標になります。 |
D-BIL(直接ビリルビン) | 急性肝炎や総胆管結石などで上昇します。 |
AST[GOT] ALT[GPT] (トランスアミナ-ゼ) | 心臓や肝臓の細胞の中にある酵素で、ASTは肝臓や心筋などに多く含まれ、ALTは主に肝臓に多く含まれています。病気で細胞が壊れると血液中に大量に出てきます。肝炎・肝硬変・脂肪肝・胆管炎・胆石症・心筋梗塞・溶血性疾患などで高値を示します。 |
ALP(アルカリホスファタ-ゼ) | 肝臓・骨・小腸・胎盤の働きに関係があるとされている酵素で、肝臓や骨の病気・妊娠している時に上昇します。但し小児の場合は骨が盛んに作られるため高値になります。 |
LDH(乳酸脱水素酵素) | 肝臓・腎臓・肺・心臓・筋肉・赤血球などに含まれる酵素で、病気などでこれらの臓器の細胞が壊れると血液中に流れ出し値が上昇します。 |
γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダ-ゼ) | 閉塞性黄疸や肝臓障害などで上昇する酵素です。 病気がなくても長期飲酒によって上昇する事がよく知られています。 |
CH-E(コリンエステラ-ゼ) | 肝臓で合成される酵素で、肝臓が障害を受けると低値になります。 また有機リン系薬剤により活性が低下するので中毒の指標となります。 |
T-CHO(総コレステロ-ル) | コレステロ-ルは細胞の重要な成分です。さらには各種ホルモンの原料になります。しかし、血液中に多くなりすぎると動脈硬化の原因になります。家族性に高い場合やネフロ-ゼ症候群でも高くなります。 |
BUN(尿素窒素) | 食物、特にタンパク質の最終産物(老廃物)で、腎臓の働きが悪くなったときに増加します。また、火傷や高熱・大量のタンパク質を摂取したときも増えることがあります。 |
CRE(クレアチニン) | 筋肉が活動したときに出来る物質で、腎臓から排泄されます。一日に作られる量はほぼ一定です。このため、腎機能の判定に利用されます。腎臓の機能が低下すると血液中に増えます。 |
UA(尿酸) | 肉・豆・貝などタンパク質が豊富な食物はプリン体が多く含まれています。このプリン体から核酸が作られ尿酸になります。尿酸が増えすぎると関節に沈着し、痛風の原因になります。 |
AMY(アミラ-ゼ) | でん粉やグリコ-ゲンを分解する酵素で、膵臓や唾液腺でつくられます。膵臓・唾液腺などに炎症があるとその臓器の細胞が壊れて、血液中にアミラ-ゼが放出され高値になります。 |
P-AMY(膵型アミラーゼ) | P型アミラーゼは、アミラーゼのアイソザイムのひとつで、膵(Pancreas:膵臓)に多く存在し、膵疾患で上昇します。 |
GLU(血糖) | 生体の重要なエネルギ-源でインスリンなど各種ホルモンにより調節され、血液中の濃度はほぼ一定に保たれています。しかし、調節因子の機能に支障をきたすと 血糖値は異常になります。糖尿病・甲状腺機能亢進症などで高値を示します。インスリン分泌過剰・副甲状腺機能不全・肝硬変・悪性腫瘍の一部などで低値にな ります。 |
CK(クレアチンホスホキナ-ゼ) | 筋肉・心筋・脳に含まれる酵素で、筋肉・心臓などの病気で血液濃度が高くなります。また、激しい運動後や日焼けなどによっても高値になることがあります。 |
CK-MB | CKのアイソザイムのひとつです。CK-MBは心筋特異性が高く、総CKに占めるCK-MB比率が10%を超える場合には心筋梗塞(傷害)が強く疑われます。 |
Na(ナトリウム) | Naは体液の量や浸透圧の調節をします。欠乏すると脱水症、過剰になると浮腫(むくみ)の原因になります。 |
K(カリウム) | 神経細胞が正常に働いたり、筋肉の収縮がうまくいくようにします。しかし、多すぎると重篤な不整脈を引き起こします。嘔吐・下痢などで低値を示します。腎不全などで高値になります。 |
Cl(クロ-ル) | 身体のpH(ペ-ハ-、酸塩基平衡)や浸透圧を調節する役割があります。水分の代謝異常(浮腫・嘔吐・下痢など)や酸塩基平衡異常の疑いがあるときに検査します。 |
Ca(カルシウム) | カルシウムは骨の構成主成分であることは知られていますが、細胞の情報伝達や細胞の増殖、ホルモン・胃液・膵液の分泌や生成に関係します。副甲状腺や骨の病気、腎不全などで異常値を示します。 |
IP(無機リン) | カルシウムの代謝と密接な関係があります。また、各種の内分泌・骨代謝異常が疑われるときに検査します。 |
Mg(マグネシウム) | マグネシウムは、細胞内に多く存在し、生命維持に必要不可欠なミネラルで、主に遺伝子の合成や神経・筋における情報伝達などに働きます。低くなりすぎると心室性不整脈、高くなりすぎると筋緊張の低下や呼吸抑制が起き、重篤な場合は呼吸停止・心停止に至ることがあります。 |
TG(中性脂肪) | 食物として摂取される脂肪の大部分は中性脂肪で、エネルギ-源になります。動脈硬化の因子としても注目されています。糖尿病・肥満など糖・脂質代謝異常を起こす疾患で診断や治療の経過判定に利用されます。 |
HDL-CHO(HDLコレステロ-ル) | 一般的には善玉コレステロ-ルとも呼ばれている。末梢の組織からコレステロ-ルを取り除く働きをします。低HDLコレステロ-ル血症は虚血性心疾患や脳血管障害など動脈硬化性疾患の危険因子とされています。 |
LDL-CHO(LDLコレステロ-ル) | 一般的には悪玉コレステロ-ルとも呼ばれ冠動脈疾患の危険因子とされています。また高コレステロ-ル血症などでも高値を示します。 |
Fe(血清鉄) | 体内の鉄の2/3は赤血球のヘモグロビンに含まれています。血清鉄を測定することにより鉄の欠乏や過剰など鉄代謝異常が推測できます。 |
フェリチン | フェリチンは、鉄を結合して貯蔵するための蛋白です。肝・脾・骨髄・胎盤などの組織に広く分布し、組織内の貯蔵鉄量を反映します。鉄欠乏状態では低く、鉄過剰状態では高くなります。 |
CRP(C反応性蛋白) | 生体内の組織の破壊などの障害がある時に、炎症反応のひとつとしてCRPが速やかに上昇します。また、炎症の沈静化にともない消滅します。感染症・腫瘍・外傷・虚血・自己免疫疾患などあらゆる炎症や組織障害の存在と程度を推測するための検査です。 |
NH3(血中アンモニア) | NH3はアミノ酸の代謝産物で肝臓で尿酸に合成され、腎臓から体外に排泄されます。肝臓の解毒機能が低下すると血中アンモニアは増加します。肝臓機能の重症度を推測したり、肝性昏睡時の病態把握にも利用されます。 |
HbA1c(ヘモグロビンA1c) | 糖尿病治療の重要な検査です。糖尿病といわれたら定期的にこの検査を受け、より良い血糖コントロールを続けましょう。目標は7%未満です。 |
RF(リウマチ因子) | 慢性関節リウマチの時に現れる自己抗体です。慢性関節リウマチでは特に高値を示しますが、膠原病・肝疾患・肺結核などでも数値が上昇するときがあります。 |
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MMP-3(マトリックスメタロプロテイナーゼ-3) | MMP-3は関節の滑膜破壊や滑膜増殖を反映して血中濃度が増えるので、関節リウマチにおいては滑膜炎の指標として有用で、治療経過観察などに用いられます。 |
KL-6(シアル化糖鎖抗原KL-6) | 間質性肺炎の診断マーカー、活動性の指標として使用されています。 |
IgG(免疫グロブリンG) | タンパク質の一種で免疫抗体・感染性を失わせる中和抗体・細菌を捕捉するのを助ける働きや補体活性因子の役割をします。膠原病・慢性感染症・悪性腫瘍・多発性骨髄腫などで高値になります。無γ-グロブリン血症・重症免疫不全症・ネフロ-ゼ症候群などで低値を示します。 |
IgA(免疫グロブリンA) | 唾液・涙液・鼻汁・気道・乳汁などの分泌液にも含まれています。局所免疫を中心に感染防御や食物アレルギ-の予防に役に立っています。IgA腎症・IgA骨髄腫・慢性肝炎などで上昇することが多い。ネフロ-ゼ症候群・ステロイド剤連用で低下します。 |
IgM(免疫グロブリンM) | 細胞の分化や抗体産生を促す働きがあり、免疫機能の発現に重要な役割を果たします。慢性関節リウマチや膠原病などの自己免疫疾患や感染症、肝疾患で増加します。 |
C3(補体第3成分) | 蛋白質の一種で細菌などの感染防御や炎症反応に重要な働きをします。感染症・炎症・悪性腫瘍で増加します。糸球体腎炎・慢性肝炎・肝硬変・全身性エリテマト-デスなどで減少します。 |
C4(補体第4成分) | C3と同様に細菌などの感染防御や炎症反応に重要な働きをします。 全身性エリテマト-デス・慢性肝炎・劇症肝炎などで減少します。 |
IgE(免疫グロブリンE) | アレルギー症状や寄生虫感染と密接な関係があります。花粉症などのアレルギー性鼻炎や気管支喘息、寄生虫感染などで高値を示します。 |
HCV抗体(C型肝炎ウイルス抗体) | かつては肝炎を起こす非A非B肝炎ウイルスと呼ばれていたほとんどがC型肝炎ウイルスの持続感染によるものであることが明らかになり、陽性の場合は感染が疑 われます。肝硬変や肝癌に移行することがあるので注意が必要です。感染源としてはC型肝炎ウイルスを含む人の血液で、何らかの経路を介して人の血液に入る と感染します。 |
HBs抗原(B型肝炎ウイルス抗原) | 肝炎を起こすB型肝炎ウイルスに感染の可能性が高い場合は陽性となり、感染源としてはB型肝炎ウイルスを含む血液で、何らかの経路を介して血液に入ると感染します。 |
HBs抗体 | B型肝炎ウィルスに対する防御抗体として知られています。過去に感染経験がある場合に陽性となります。これを応用したのがHBワクチンで、医療従事者や救急隊員、警察官などは、HBワクチンの予防接種を行うことでB型肝炎の感染を予防しています。 |
HBc抗体 | B型肝炎の感染状態を知るための検査で、感染既往がある場合は、陽性になります。 |
梅毒定性検査(梅毒定性検査) | 梅毒の感染の有無を調べます。 |
HIV抗原・抗体 | AIDS(エイズ)を起こすウイルスに感染している可能性が高い場合は陽性となり、感染源としてはエイズウイルスを含む血液で、何らかの経路を介して血液に入ると感染します。 |
HTLV-1抗体(ヒトT細胞白血病ウィルスI型抗体) | ATL(成人T細胞白血病)を起こすウィルスに感染している可能性が高い場合に陽性になります。 |
CEA(癌胎児性抗原) | 主に大腸癌・食道癌・胃癌・すい臓癌・肺癌・膀胱癌・消化性潰瘍などで高値になります。また、潰瘍性大腸炎等の炎症性疾患やヘビースモーカーでも高値になります。 |
AFP(α-フェトプロテイン) | 主に原発性肝細胞癌・肝硬変症・卵巣癌・精巣の悪性奇形腫・小児の胎児性癌などで高値になります。 |
PIVKAⅡ | PIVKAⅡは異常な血液凝固因子(凝固因子プロトロンビンの前駆体)です。健康な人の血液中には存在せず、ビタミンKの欠乏時や、肝障害、肝細胞がんなどのときに血液中に出現します。ただし、ワーファリンなどの抗凝固剤を服用や、アルコール多飲でも検査値が上昇します。 |
CA 19-9(CA 19-9) | 主に膵癌・胆嚢や胆管などの胆道系の癌などで高値になります。 |
SCC(SCC抗原) | 主に肺癌、子宮頸部癌、食道癌、頭頸部癌などで高値になります。 |
CA15-3(CA15-3) | 主に乳癌のときに高値になります。 |
CA125(CA125) | 主に卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、子宮内膜症などで高値になります。 |
PSA(前立腺特異抗原) | 主に前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺炎などで高値になります。 |
TSH(甲状腺刺激ホルモン) | 下垂体前葉から分泌されるホルモンで、甲状腺を刺激してT3(トリヨードサイロニン)T4(チロキシン)分泌を促します。甲状腺機能低下症(橋本病など)では高値を、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では低値を示します。 |
FreeT3(遊離トリヨードサイロニン) | 甲状腺ホルモンの一種です。甲状腺機能亢進症では高値を、逆に甲状腺機能低下症では低値を示します。 |
FreeT4(遊離チロキシン) | 甲状腺ホルモンの一種です。甲状腺機能亢進症では高値を、逆に甲状腺機能低下症では低値を示します。 |
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド) | BNPは、心臓(主に心室)で生合成され、心室負荷や心筋肥大、心筋虚血により分泌が亢進します。 |
NT-proBNP | BNP同様に心不全マーカーとして用います。 |
高感度TnI(トロポニンI) | TnIは心筋障害に優れたマーカーで、心筋障害時の異常値を初期から長期間検出できるため、急性冠症候群(ACS)患者さんの微小心筋障害や心不全患者および慢性透析患者さんの潜在性心筋障害を検出することができます。 |
PCT(プロカルシトニン) | 敗血症(細菌性)の鑑別診断および重症度の指標とされています。 全身性感染症、特に細菌感染症でプロカルシトニンの血中濃度は上昇し、ウィルス性感染症や慢性炎症疾患、自己免疫疾患では通常上昇しない。 |
NGAL好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalin:NGAL) | 急性腎障害(AKI)の指標として用います。検体は尿です。 |
LH(黄体形成ホルモン) | LHとFSHは性腺刺激ホルモンともいわれ、ともに脳下垂体前葉から分泌され、どちらも卵巣を刺激するように動きます。このLHとFSHを測定することで、脳下垂体や性腺機能の異常がチェックできます。 |
FSH(卵胞刺激ホルモン) | LHとFSHは性腺刺激ホルモンともいわれ、ともに脳下垂体前葉から分泌され、どちらも卵巣を刺激するように動きます。このLHとFSHを測定することで、脳下垂体や性腺機能の異常がチェックできます。 |
E2(エストラジオール) | E2は卵巣、胎盤で産生されます。女性では卵巣の成熟に伴い年齢とともに増加し、妊娠の際には著増しますが、更年期とともに減少します。卵巣胎盤機能が低下している疾患ではE2は低下します。 |
HCG(ヒト紱毛性ゴナドトロビン) | HCGは妊娠の診断や経過観察、あるいは異常妊娠の診断や治療後の経過観察に用いられます。HCG高値は、妊娠か紱毛性腫瘍、または非紱毛性腫瘍による異所性HCG産生です。 |
ビタミンB12(VB12) | ビタミンB12は造血ビタミンのひとつであり、欠乏すると貧血、特に巨赤芽球性貧血を起こします。 |
葉酸 | 葉酸はビタミンB12とともに増殖細胞におけるDNA合成の円滑な進行に不可欠な物質で、欠乏するとビタミンB12欠乏と同様、巨赤芽球性貧血を起こします。また、舌炎や胃腸症状が強く出現します。 |