部門

チーム医療:薬局

当院では、部署や職種を超えた専門職がチームを組み、患者さんにより質の高い医療を提供するために、連携して診療にあたっています。

がん化学療法チーム

チームの役割

従来がんの治療は、医師を中心として行われていましたが、近年は多くの職種が連携して治療や支援を進めるチーム医療が広がっています。がん化学療法チームは、主治医や各診療科の医師と連携しながら、がん化学療法の専門的知識を有する看護師、薬剤師が、患者さんに安全、安心な抗がん剤治療を受けていただけるように努めています。また、キャンサーボードや各領域のカンファレンスにおいて、診断や治療方針について、それぞれ専門の知見に基づいて検討を行っています。

チームにおける薬剤師の役割

がん化学療法レジメンの管理、抗がん剤の投与量、投与間隔のチェックを中心としたレジメンに基づく処方鑑査、抗がん剤調製の管理などを行うことにより、チームの活動に貢献しています。

感染対策チーム(ICT)/抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

チームの役割

ICT/ASTは定期的な院内ラウンドや緊急事態の対応などを行う病院感染対策と、抗菌薬の治療効果の向上と耐性菌の出現抑制を目的として、処方内容の評価や提案をすることで抗菌薬適正使用を支援するチームで、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師で構成されています。

チームにおける薬剤師の役割

薬剤師は、主に院内における抗菌薬・消毒薬の適正使用の推進に関わっています。薬剤師として専門の知見から感染症対策、感染症治療全般に関わることが求められています。

緩和ケアチーム(PCT)

チームの役割

緩和ケアは疾患の時期によって行われるものではなく、その人の抱えている「つらさ(苦痛)」に焦点を合わせて行われます。
緩和ケアチームは、身体的症状や心の痛み、経済的な悩みなど患者さんとご家族が抱えている苦痛の軽減を目指し、医師・看護師・薬剤師・心理士、その他の医療スタッフが定期的にカンファレンス及び回診を行い、チーム一丸となって治療に取り組んでいます。

チームにおける薬剤師の役割

薬剤師は定期的に緩和ケアチームの回診に帯同し、薬学的観点から患者さんに適した薬物治療が行われているか、副作用が発現していないか、相互作用のある薬剤の組み合わせはないか、などの確認を行い、医療従事者と活発な意見交換を行っています。また、使用されている薬(医療用麻薬など)の説明を行い、患者さんや家族の方が安全かつ安心して薬を使用してもらうよう努めています。

栄養サポートチーム(NST)

チームの役割

栄養管理は、すべての疾患治療のうえで共通する基本的医療のひとつです。栄養管理を症例個々や各疾患治療に応じて適切に実施することをnutrition support(栄養サポート、栄養支援)といいます。
栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)は医師・看護師・管理栄養士・薬剤師などから構成され、定期的にカンファレンスを行い、それぞれの専門的な立場から栄養サポートを実践しています。

チームにおける薬剤師の役割

薬剤師は、薬剤による栄養管理上の問題(消化器症状、味覚障害、嚥下障害、相互作用など)や高カロリー輸液投与に関わる問題などに関与することで、医薬品の適正使用と患者のQOL向上を図っていく役割を担っています。

糖尿病サポートチーム(DST)

チームの役割

糖尿病治療において特徴的なことは、薬物療法だけでなく食事・運動療法といった基本療法の占める割合が高く、さらに自覚症状に乏しい慢性疾患であるため、早期の患者教育が重要なことです。さらに全身のケアが必要になるため、様々な職種との親密でスムーズな連携が必要になります。当院の糖尿病サポートチーム(DST)は、医師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査技師、理学療法士の多職種で構成され、それぞれの専門的な立場から患者の療養指導を行っています。

チームにおける薬剤師の役割

糖尿病の教育入院患者さんに対しては、患者アドヒアランスの向上を常に意識し、服薬指導、インスリンの自己注射手技の確認、低血糖及びシックデイの対処方法の指導を行い、多職種カンファレンスで患者情報の共有や問題点の抽出及び解決方法の検討をしています。また、入院患者さんを対象とした糖尿病教室のほか市民公開講座においても薬物療法についての講義を行っています。