令和5年度 小牧市民病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,016 233 280 415 772 1,322 1,649 3,442 2,790 476
 年齢階級別退院患者数は、小牧市民病院を退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計したものです。当院は、地域の中核病院として急性期医療やがん治療、周産期医療や小児疾患など幅広い年齢層の患者さんを診療しています。令和2年度に新型コロナウイルス感染症が感染拡大して以降、感染対策への意識の向上により主傷病の多くが感染症である小児科の患者さんが大きく減少していましたが、令和3年度以降は徐々に増加しています。
(0~19歳の患者さんの占める割合 令和2年度=6.3%、令和3年度=7.9%、令和4年度=8.6%、令和5年度=10.1%)
その一方で、がん治療の多くが含まれる60歳以上の患者さんは、令和2年度以降、年々減少しています。
(60歳以上の患者さんの占める割合 令和2年度=71.8%、令和3年度=69.4%、令和4年度=68.9%、令和5年度=67.4%)
 昨年度に公開しました同指標と比べますと、患者数合計は674人の増加となりました。年代別分布割合で大きく増加したのは10歳未満(+240人、+1.6ポイント)や80歳代(+315人、+1.4ポイント)であり、大きく減少したのは70歳代(-122人、-2.5ポイント)でした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり(経気管肺生検法など) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 148 2.18 2.98 0.00 73.52 気管支鏡検査
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 68 20.84 18.65 1.47 76.74
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(化学療法ありかつ放射線治療なし) 定義副傷病なし 42 9.02 8.33 2.38 76.26
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり (終夜睡眠ポリグラフィー) 39 2.00 2.03 0.00 60.10 終夜ポリグラフ
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病ありA-DROP スコア2 34 16.82 18.22 5.88 83.15
 当院の呼吸器内科は、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会の認定施設であり、肺がん、呼吸器感染症、気管支喘息、COPD、間質性肺炎など多種多様な呼吸器疾患に幅広く対処できるよう体制を整えています。上記1位、3位にありますように特に肺がんは当院における患者さんの割合が多い疾患です。手術適応に関して当院の呼吸器外科と連携して慎重に決定し、手術適応でない患者さんには化学療法や分子標的治療、免疫療法、放射線治療など、肺がんのタイプや進行度に合わせて適切な治療法を提案させていただいております。また、積極的な治療が難しい患者さんに対しても、緩和ケアチームと協力して症状緩和やQOL(生活の質)向上に努めています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 85 9.96 8.75 0.00 71.25
060340xx03x01x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 34 16.26 16.81 0.00 80.53
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 34 8.03 7.58 0.00 67.41
060335xx99x00x 胆嚢炎等 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 9.63 10.86 0.00 64.74
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2なし 26 9.58 9.55 7.69 70.42
 消化器内科では、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の診断と治療、肝胆膵疾患の診断と治療など多岐多彩にわたる臓器の治療を担っています。また、当院は三次救急病院であるため緊急検査も多く実施しており、消化管疾患に対する内視鏡等は常時可能な状態とするよう努め、緊急時の迅速な対応を心掛けています。超音波内視鏡による粘膜下腫瘍の診断やがんの進達度診断の向上に努めており、早期の食道・胃・大腸がんに対しては、可能な限り内視鏡的切除を行っています。総胆管結石、悪性腫瘍等における閉塞性黄疸に対しては、ステント等によるドレナージを多く実施しており、消化器内科における第1位・第2位の症例となっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 310 4.09 4.57 0.00 68.36 アブレーション
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり (心臓カテーテルなど) 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 290 1.62 3.05 0.00 69.59 冠動脈造影(前日入院_下肢)
冠動脈造影(前日入院_上肢)冠動脈造影(当日入院)
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり (心臓カテーテルなど) 197 3.35 4.26 0.00 70.89
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 116 15.56 17.38 5.17 82.17
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり(ペースメーカー移植術など) 手術・処置等1なし、1,3あり (心臓カテーテルなど) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 99 7.09 9.77 2.02 75.75
 当院の循環器内科は、日本循環器学会研修施設、日本心血管インターベンション治療学会研修施設に認定され、名古屋北部を含む尾張北部地域の循環器医療を担っています。また、植え込み型除細動器(ICD)認定施設、心臓再同期療法(CRT)認可施設、腹部ステントグラフト実施施設、ロータブレーター認可施設、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)実施施設です。循環器疾患は緊急での初期治療が極めて重要であり、24時間体制で急性冠症候群(不安定狭心症、急性心筋梗塞)に対する心臓カテーテル検査(第2位の症例)をはじめ、緊急冠動脈インターベンション(PCI)(第3位の症例)、急性肺動脈塞栓、深部静脈血栓症に対する血栓溶解、血栓吸引療法及び静脈フィルター留置術などの急性期の血管内治療、及び急性心不全(第4位の症例)、急性大動脈解離などの急性疾患に対処しています。さらに、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療(第1位の症例)やペースメーカー治療(第5位の症例)、重症心不全に対する心臓再同期治療、肺高血圧症に対するフローランの持続療法、閉塞性動脈硬化症に対する末梢血管のカテーテル治療、心臓血管外科と合同で行う腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、TAVIなどのカテーテルによる治療を積極的に行っています。ハイブリット手術室はTAVI以外においても、血管内治療中に外科的な治療が必要になった際に患者さんを移動させることなく治療することが可能であり、より安全で難易度の高い治療が提供できます。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等29あり(化学療法(ポライビー使用)) 29 16.07 12.88 0.00 67.24 悪性リンパ腫化学療法
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等25あり(化学療法(ダラキューロ使用)) 27 14.52 16.12 0.00 73.59
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり(化学療法(リツキサン使用)) 26 8.04 9.62 0.00 65.88 悪性リンパ腫化学療法
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり (化学療法(リツキサン+ノイトロジン使用)) 25 17.04 19.61 0.00 64.6 悪性リンパ腫化学療法
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり(輸血実施) 手術・処置等25あり 定義副傷病なし (化学療法(リツキサン+ノイトロジン使用)) 17 24.71 29.83 0.00 72.41 悪性リンパ腫化学療法
 血液内科の主な診療疾患は、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの造血器腫瘍ですが、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの非腫瘍性疾患も含めた血液の病気全般を診療しています。血液内科は専門性が高いことから、地域の中核病院でも常勤医を持たないことが多い領域です。そのため、当院の血液内科の医療圏は、小牧市内に限らず名古屋北部も含む尾北地区の広範囲にわたっています。当院では特に悪性リンパ腫(第1位、第3位、第4位、第5位の症例)が多く、様々な抗がん剤を用いた治療や放射線療法を行っており、患者さんにとって最適な治療法を選択しています。
 血液内科では毎週カンファレンスを行い、患者さんの治療方針について話し合いを行っています。基本的には「造血器腫瘍診療ガイドライン」に基づいた治療を励行していますが、患者さんの年齢、合併症などガイドライン通りの治療が困難な場合などは、患者さんと相談して最善の治療法を選択するなど柔軟な対応にも努めています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 3.74 7.57 0.00 75.32
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり(経皮的腎生検) 12 5.75 6.44 0.00 46.75
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 10 3.90 11.49 10.00 48.80
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり(人工腎臓(その他)) - - 13.81 - -
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等21あり(人工腎臓(その他)) - - 34.07 - -
 腎臓内科の主な診療疾患は、腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全、膠原病(SLE・強皮症などの腎症状を呈する疾患)です。通常の血液透析以外に持続血液透析濾過(CHDF)、エンドトキシン吸着(PMX)、血漿交換(PE)、顆粒球吸着(G-CAP)など様々な血液浄化療法に対応しています。
 2023年の腎臓内科新規入院患者数(一般内科を除く)は124名であり、腎生検数は16件、シャント手術件数は49件、経皮的血管形成術(シャントPTA)は16件でした。腎生検はクリニカル・パスを活用して4泊5日の入院で行っており、複数の専門医による病理診断を行い患者さんに最適の治療法を選択しています。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり(インスリン投与) 17 10.29 13.99 0.00 64.06
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 9.80 13.15 0.00 46.80
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり(インスリン投与) - - 19.00 - -
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 定義副傷病なし - - 6.46 - -
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり(インスリン投与) - - 13.31 - -
 糖尿病・内分泌内科の主な診療疾患は、糖尿病、内分泌疾患です。糖尿病教育やインスリン導入は、入院と比較して患者さんの時間的な制約や経済的な負担が小さい外来をメインに行っております。また、内分泌疾患の各種の機能検査においても、可能な限り外来で実施しています。入院においては、外来診療で血糖コントロールの達成が難しい患者さんに対する教育入院、緊急疾患の症例等を主に診療しています。患者さんの負担を考慮して、可能な限り早期の退院を心がけているため、全国に比較して在院日数が短い結果となっています。看護局、栄養科、薬剤部、検査部、リハビリ科、医務局の各部門スタッフで構成する糖尿病サポートチームと協力し、管理栄養士による栄養指導、看護師及び管理栄養士による透析予防外来、看護師によるインスリン自己注射の指導、臨床検査技師による血糖自己測定の導入、糖尿病教室等を実施しています。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 97 13.29 20.60 49.48 83.90
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 97 12.78 13.52 8.25 77.94
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(エダラボン投与) 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 76 13.54 15.70 27.63 70.74
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(エダラボン投与) 定義副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 59 13.93 17.39 32.20 73.85
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし 35 4.86 6.25 0.00 72.74
 内科(総合内科)では、呼吸器・消化器・循環器等の疾患において専門領域まで至らない病態の患者さんや、脳梗塞をはじめとする脳神経内科疾患、さらには感染源がはっきりとしないような感染症の診療に当たっています。そのため、脳梗塞(第3位、第4位の症例)、感染症(第2位の症例)、誤嚥性肺炎(第1位の症例)が入院の主な疾患となっています。脳梗塞においては、他の病院と地域連携パスによる急性期治療後のリハビリテーションを連携しているため、転院率が高くなっています。また、全国的に平均在院日数が長くなる傾向にある誤嚥性肺炎に対しては、早期連携システムによる後方支援病院との迅速な連携により、全国の病院に比べて平均在院日数は短く、転院率は高くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 136 5.99 5.96 2.94 1.14
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 87 5.48 5.86 4.60 2.33
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり (小児食物アレルギー負荷検査) 75 1.05 2.12 0.00 3.68 食物アレルギー
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 73 5.62 5.62 1.37 3.41
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 70 6.14 6.37 2.86 3.07
 小児科では、新生児・小児科的疾患全般を担当しています。入院患者さんの多くは感染症(第1位、第2位、第4位)や喘息(第5位)など緊急入院となるケースが多いことから、尾張北部医療圏における三次救急医療機関として、連日当直医を置き、夜間、休日ともに小児救急医療に対応しています。急性疾患の管理のみならず、アレルギー疾患(第3位)、内分泌疾患、腎疾患、循環器疾患、神経疾患などの小児慢性疾患の治療も行っています。また、尾張北部を代表とする地域周産期母子医療センターとして、新生児特定集中治療室(NICU)や新生児治療回復室(GCU)を備え、24時間365日にわたり地域の周産期医療を担っており、近隣産科開業医から、ハイリスクの妊婦さんの母体搬送のみでなく院外出生の病的新生児の受け入れも積極的に対応しています。なお、当院は日本小児科学会専門医認定施設および日本周産期・新生児医学会の専門医制度(新生児)認定施設の指定施設に認定されています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術 (腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 121 9.41 9.88 0.00 63.70
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 99 3.56 4.55 0.00 70.71 腹腔鏡鼠径ヘルニア
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 72 7.50 8.95 0.00 69.03
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 55 5.49 6.87 0.00 61.15
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 48 5.38 5.98 0.00 57.48
 外科では、消化器(食道、胃、大腸、肝臓、膵臓など)と乳腺の悪性疾患、良性疾患(胆石症、胆のうポリープ、炎症性腸疾患など)や腹部の緊急疾患(腸閉塞、虫垂炎、大腸憩室炎など)と多岐にわたる診療を担っています。特に、地域がん診療連携拠点病院としてがん治療に積極的に取り組んでおり、診療ガイドラインに基づいたがん治療を行っています。また、名古屋大学を中心とした中部臨床腫瘍機構(CCOG)の臨床試験に数多く参加し、少しでも患者さんにとってメリットのあるがん治療法の開発にも参画しています。なお、第1位の症例となっています乳がんの症例は年々増加傾向にあり、2023年における乳腺の手術件数も176件と、これまでで最も多い件数となりました。
 消化器領域では、患者さんの体への負担が少ない腹腔鏡手術を良悪性問わず積極的に取り入れています。また、手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いて胃がんや大腸がんなどの手術を行うなど、精密かつ安全性の高い先進医療の提供を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx9906xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等26あり(ガンマナイフ実施) 151 3.74 4.26 3.31 62.07 ガンマナイフ
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり (慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術など) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 59 8.03 9.88 8.47 77.93 慢性硬膜下血腫
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) (JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし 48 21.98 22.61 72.92 72.40
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) (JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 44 16.59 19.09 52.27 59.48
010040x0991xxx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) (JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1あり(ガンマナイフ実施) 35 3.03 3.27 5.71 43.29 脳動静脈奇形ガンマ(上腕)
脳動静脈奇形ガンマ(下腿)
 脳神経外科では顕微鏡手術・内視鏡手術のほか、ガンマナイフを含む画像診断を用いた定位放射線治療、カテーテルを使用した血管内手術など幅広く脳神経外科疾患の最先端の治療を専門的に行っています。特にガンマナイフは、1991年5月に全国に先駆けて導入しており、2023年には245件の治療を実施しています。2019年5月にガンマナイフ最新ユニット(ICON)を導入したことにより、マスク固定による分割照射ができるようになり、大きな腫瘍や視神経など重要組織近傍にある病変でも分割照射を行うことで安全に治療が可能となりました。第1位「脳腫瘍」の症例はガンマナイフを所有する当院の強みを生かした診療であり、脳腫瘍全体で見ても尾張北部医療圏における75%のシェアを誇っています。
 当院の脳神経外科の特徴は外科手術、放射線治療、血管内治療、化学療法など様々な治療のエキスパートが揃っており、個々の疾患に対してあらゆる角度から最善の治療法を選択できることです。状況に応じて集学的治療を行い、また、患者さんにとって体の負担が少ない治療を目指しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 218 21.17 25.50 81.19 81.68 人工骨頭置換術
人工股関節置換術
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 60 21.68 19.55 33.33 69.23 人工股関節置換術
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 53 20.06 21.96 22.64 73.49 人工膝関節置換術
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術  肩甲骨、上腕、大腿等 定義副傷病なし 42 4.62 5.67 2.38 33.31
160700xx97xx1x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 定義副傷病あり 36 6.19 10.95 5.56 51.78
 整形外科では、上肢、下肢、脊椎など幅広い運動器の疾患や外傷を治療疾患としております。当院は高度な医療を担う三次救急医療機関であることから、多発外傷をはじめ交通事故や労働災害による外傷患者を広く受け入れています。治療の特色としては、骨折の治療一般においては最先端の治療法を積極的に取り入れており、できる限り侵襲の少ない手術方法を選択することで患者さんの身体負担を軽減するよう努めています。また、高齢者の大腿骨頸部骨折の治療では、認知症などの合併症を予防する目的で積極的な手術療法と術後早期のリハビリテーションを行っており、当院と他の病院・診療所との間において地域連携パスによる急性期治療後のリハビリテーションを実施しています。特に第1位の「股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等」では、大腿骨近位骨折超早期連携を行っており、他の病院と比べて平均在院日数が短くなっています。なお、当院には多職種から編成されるFLS(骨折リエゾンサービス)チームがあり、骨折に対する早期手術や早期リハビリ、骨粗鬆症治療介入による二次骨折予防を積極的に行っています。
 術後安定した患者さんにおいては早期転院を勧め、救急外傷の患者さんのためにベッドを確保するように努めています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 63 7.00 10.10 0.00 54.79 開腹手術
脊椎麻酔下膣式手術
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 57 5.86 5.93 0.00 44.84 腹腔鏡下手術
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。)  腹腔鏡によるもの等 42 5.98 6.00 0.00 41.79 腹腔鏡下手術
経腟的内視鏡手術
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 41 3.00 2.96 0.00 39.00 脊椎麻酔下膣式手術
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 28 7.68 9.23 0.00 41.21 開腹手術
脊椎麻酔下膣式手術
 産婦人科では、産婦人科領域全般にわたる診療を行っており、当直制により救急患者さんに24時間対応できる体制をとっています。産婦人科は産科部門と婦人科部門の二つの部門により構成されており、産科部門においては、尾張北部医療圏の地域周産期センターとして、近医より合併症妊娠や切迫早産、妊娠高血圧症候群などのハイリスク妊娠の紹介や母体搬送も24時間体制で受け入れています。また、新生児特定集中治療室(NICU)と新生児治療回復室(GCU)を備えており、小児科をはじめ他科の協力のもと母児の管理を行っています。掲載の基準上、上記表からは除外対象となっていますが、2023年度においては「120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常(主に既往帝切後妊娠) 子宮全摘術等」98件、「120260x002xxxx 分娩の異常(主に会陰裂傷や胎児機能不全) 骨盤位娩出術等」61件、「120260x001xxxx 分娩の異常(主に胎児機能不全) 子宮破裂手術等」33件の実績があります。
 婦人科部門においては、子宮がんや卵巣がんなどの悪性腫瘍疾患に対し、日本産婦人科腫瘍学会指定修練施設として婦人科腫瘍専門医が中心となって手術及び病期に応じた化学療法や放射線療法を行っています。また、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍、性器脱などの良性疾患に対しては、症状、年齢や生活背景などを考慮し、薬物療法や手術療法を組み合わせてニーズに沿った治療を進めています。上記の実績にありますように悪性疾患・良性疾患に関わらず多くの疾患を治療しており、手術の際には症例に応じて腹腔鏡手術、手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いた手術など、患者さんの体の負担が少なく早期の社会復帰を目指した治療の選択を行っています。
 なお、当院は不妊部門にも力を入れており、生殖医療センターを開設しています。生殖医療センターでは、タイミング治療や人工授精などの一般不妊治療から、体外受精や顕微授精など幅広い診療を行っています。2023年には、採卵を189件、胚移植を166件、人工授精を208件、精液検査を80件、精子凍結(妊孕性温存)を3件実施しています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 65 8.28 7.53 0.00 21.12 口蓋扁桃摘出術
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 52 5.92 5.51 0.00 43.21
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 48 6.46 6.02 0.00 50.90 全身麻酔ESS
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 19 6.00 5.80 0.00 43.63
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 13 6.46 6.74 0.00 53.15 全身麻酔(ドレーンあり)
全身麻酔(ドレーンあり(ロング))
 耳鼻いんこう科の治療対象は、耳(側頭骨、内耳、中耳、外耳)、鼻(鼻腔、副鼻腔)、咽頭(上咽頭~下咽頭)、喉頭、甲状腺のほか舌、口腔、唾液腺などと幅広く、特に若年層に多い慢性扁桃炎(第1位)は年々増加傾向にあり、2023年に行った口蓋扁桃手術(アデノイド切除を含む)は66件と令和元年以降で最も多い件数となっています。
 当院においては、再建や頭蓋底操作が必要な悪性腫瘍のほか、気管・気管支異物のように特殊なものについては大学病院に治療を依頼することもありますが、それら以外はほぼ全領域の治療に対応しています。特に、慢性中耳炎・真珠腫の手術的治療、鼻副鼻腔炎及び鼻茸症に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術、頭頸部腫瘍の治療を重点目標としています。なお、高齢化に伴う脳血管障害後の嚥下障害が社会的な問題にもなってきていますが、嚥下障害に関しては耳鼻いんこう科が中心となり嚥下機能評価を行い、リハビリのスタッフと密に連携し診療にあたっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 21 3.00 3.08 0.00 19.14
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 - - 2.54 - - 白内障手術
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 - - 4.46 - - 白内障手術
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.17 - -
020130xxxxxxxx 後部・汎ぶどう膜炎 - - 14.36 - -
 眼科では、近隣の病院やクリニックとの連携を大切に患者さん本位の医療を目指しています。主に白内障手術を行っており日帰り手術で対応していますが、患者さんの身体的状態や眼の状態によっては入院での手術対応も行っています。2023年中に実施した外来を含む白内障の手術は、水晶体再建術(その他のもの)を336件、後発白内障手術を94件実施しています。
 近年、県内外を問わず他院からの斜視疾患や小児眼科疾患の紹介が増加しており、斜視手術による入院が第1位となりました。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 30 12.30 12.88 10.00 60.50 蜂窩織炎
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 23 8.70 9.29 0.00 68.52 帯状疱疹
080030xxxxxxxx 疱疹(帯状疱疹を除く。)、その類症 - - 7.96 - -
080105xxxxx0xx 重症薬疹 手術・処置等2なし2 - - 17.82 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 9.94 - -
 皮膚科では、一般的な皮膚疾患に対する治療はもちろんのこと、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、膠原病などの難治性皮膚疾患に対し、総合病院の特色を活かして他科と連携をとりながら、皮膚科学会などのガイドラインに沿ったスタンダードな治療を行っています。入院においては、一般的な細菌感染症(第1位の症例)、やウイルス感染症(第2位、3位、5位の症例)、薬疹(第4位)が多く、そのほか水疱症(尋常性天疱瘡、類天疱瘡)、膠原病などの患者さんの治療を行っています。なお、皮膚の悪性腫瘍の手術は主に外来で実施しており、形成外科や放射線科などと連携を取りながら集学的治療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり(前立腺針生検) 191 2.00 2.44 0.00 72.77 前立腺生検(浣腸あり)
前立腺生検(浣腸なし)
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 157 3.50 5.22 0.00 59.55 PNL・TAP
脊椎麻酔・硬膜外麻酔手術
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 150 3.26 6.85 0.00 75.05 脊椎麻酔・硬膜外麻酔手術
膀胱全摘・尿路変更術
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 71 9.87 11.19 0.00 71.99 ロボット支援手術(前立腺・腎)
経尿道的前立腺切除術
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 50 10.82 13.52 0.00 69.74
 泌尿器科では、尿路性器悪性腫瘍(前立腺がんや膀胱がん、腎がんなど)、尿路性器感染症(腎盂腎炎や膀胱炎、前立腺炎など)、尿路結石(腎結石や尿管結石など)、尿路良性疾患、尿路外傷、排尿障害や腎移植などを治療疾患としています。
 当院は、上部尿路結石治療として体外から衝撃波で破砕するESWL装置を1987年10月に愛知県下で最も早く導入し、1991年7月には日本で最初に腹腔鏡による腎臓摘出手術を施行、1992年に世界に先駆けて腎がんに対する腹腔鏡下根治的腎摘術を行うなど、先進的治療を積極的に取り入れているのが特徴です。近年では、腎部分切除、尿膜管遺残切除、腎盂形成術、尿管切石術、仙骨膣固定術など、今までは開腹で行っていた手術を順次腹腔鏡で行うようになり、2019年からは手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を開始し、2020年からは腎部分切除、膀胱全摘除術、2022年からは根治的腎摘術、副腎摘出術、腎盂尿管全摘、腎盂形成術も手術支援ロボットで行うようになりました。また、腎移植においては、1986年2月に第一例目の献腎移植を行って以来39年の間に167例(生体腎を含む)実施しておりまします。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により一時移植を停止していましたが、昨年は生体腎、献腎合わせて4例の腎移植を行いました。そのほか、2008年1月より「排尿ケアセンター」を開設し、排尿障害の総合的な診療を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx02000x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 4.63 - -
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) - - 7.47 - -
160200xx02001x 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり - - 6.30 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし - - 3.93 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり(皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)) 手術・処置等1なし - - 4.28 - -
 上記は入院症例を対象としたものであり、10例以上の症例が無ければ患者数などの明細が表示されません。
 形成外科では、外傷や熱傷などの創傷治療、マイクロサージャリー(顕微鏡を覗きながら特殊な機器を用いて行う手術)、顔面骨骨折、乳房再建、眼瞼下垂などの治療を行っています。
 創傷治療は、外傷や熱傷のほか、手術創や難治性潰瘍などさまざまな創傷を対象として湿潤療法を主体に行っています。また、マイクロサージャリーは、外傷による血管、神経損傷をはじめ、腫瘍切除に伴う欠損(頭頚部、乳がん等)に対する遊離組織移植による再建を行っています。
 このように、体表奇形や後天性欠損などの疾患に対する形態的かつ機能的な修復再建を担っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 26 9.77 10.42 3.85 78.35 人工血管置換術
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術 (自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり(人工呼吸など) 19 18.21 21.52 0.00 68.11 心臓血管外科手術
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。)  単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり(人工呼吸など) 14 15.29 21.38 0.00 66.29 心臓血管外科手術
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。)  単独のもの等 手術・処置等11,2あり (心臓カテーテル) 手術・処置等21あり(人工呼吸など) 11 21.27 26.66 0.00 67.91 心臓血管外科手術
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術 (吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等21あり(人工呼吸など) - - 19.2 - - 心臓血管外科手術
 心臓血管外科では、成人の心臓血管外科全般を対象として外科治療を行っています。当院の特徴としては、心臓弁膜手術において日本でもいち早く僧帽弁形成術を導入し、これまでに300以上実施しています。また、弁膜症に対する弁形成術の選択、冠動脈バイパス術に対する脳合併症の少ないオフポンプという人工心肺を用いない方法の導入など、患者さんに対して危険が少なく、かつ、術後の長期間に及ぶ生活の質(QOL)に特に優れている治療法を積極的に導入しています。
 2023年の実績は手術総数169件であり、心臓大血管手術は98件でした。その内訳は虚血性心疾患手術42件、心臓弁膜症手術37件、胸部大動脈瘤手術16件、その他3件となっています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 144 9.84 9.89 0.69 72.08
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 9.15 9.54 0.00 31.22
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 8.67 28.24 0.00 66.07
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 - - 8.53 - -
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし - - 8.84 - -
 呼吸器外科では、肺がん、自然気胸、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍のほか、呼吸器全般の疾患を対象とした外科治療を行っています。2023年の全身麻酔手術は257件と過去最高症例数でした2022年の261件には届かなかったものの、肺がんの手術件数を見ると126件と昨年度の114件を上回っており、上記のとおり最も多い症例(上記1位)となっています。
 当院は主に肺がんの患者さんの手術を行っておりますが、手術の適応につきましては呼吸器内科の医師と連携しながら決定しています。心大血管の合併切除が必要と考えられる患者さんに対しては、心臓血管外科と一緒に手術を行っておりますが、手術の適応は慎重に決定しています。また、当院は手術支援ロボット(ダヴィンチ)による肺葉や肺区域切除、縦隔腫瘍摘出術等を実施するなど、最新の治療技術を駆使しながら患者さんの症状や体への負担、早期の社会復帰を考慮した治療に努めています。
救急集中治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16 2.25 3.62 6.25 37.19
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし 12 2.00 2.86 0.00 37.50
180040xx99x0xx 手術・処置等の合併症 手術なし 手術・処置等2なし - - 9.78 - -
050210xx9902xx 徐脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり - - 13.89 - -
161070xxxxx2xx 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等22あり(人工呼吸など) - - 11.26 - -
 救急集中治療科では、薬物中毒(上記1位、5位)、成人のアナフィラキシー(上記2位、3位)、重症熱傷、気道熱傷、重症多発外傷などが主な適用疾患となります。なお、上位4位は心停止の症例です。
 当院は、2020年度から集中治療医が4名常勤として赴任し、5名体制となりました。そして科の名称を「救急科」から「救急集中治療科」と改め、救急外来だけでなくICUや救急病棟においても、重症患者の診療を行うことに重点を置いた体制を整備しました。尾張北部医療圏における三次救急医療機関として、救急集中治療科医師と研修医、さらには各診療科の医師と協力して24時間365日にわたり地域の救急医療を担っており、その救命救急センター用病床として、侵襲の多い手術を受けた患者さんや重症の患者さんに対して生命維持に必要な医療を行うICUを8床、生命の危険な状態にある緊急入院した患者さんに対して高度な救急医療を行う救急病床を30床保有しています。このように、安心・安全で質の高い集中治療を提供できる体制を整備しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 39 10 15 22 - - 1 7,8
大腸癌 53 36 38 38 25 19 1 8
乳癌 65 54 - - - 12 1 8
肺癌 102 42 50 74 140 70 1 8
肝癌 - - - - 11 27 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数は、現在、日本で罹患率が高いと言われる5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)の病期(Stage)ごとの症例を集計したものです。近年では肝炎ウイルス治療が進歩し、ウイルス性肝炎が原因となる肝細胞癌は全国的に減少傾向となっています。がんの症例数を調べることで、その病院がどの程度がんに対して積極的に治療をしているのかを知ることができ、また、病期分類別に見ることでその病院の診療の幅広さを見ることができます。
 当院では、化学療法を外来で行っていることから、入院における胃がん、大腸がん、乳がんの再発治療が少なくなっています。また、肺がんでは、StageⅣの症例が多いことから、重症の患者さんが多いことが分かります。なお、検査入院においてがんの確定に至らない場合のStageは不明となっています。

 ※ 病期(Stage)とは、がんの進行状況を示すものであり、0期からⅣ期の5つに分類されます。
    0期に近いほどがんが小さくとどまっている状態であり、Ⅳ期に近いほどがんが広がっている状態となります。
    なお、0期は集計対象ではないため、上の表から除外しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 24 9.25 56.75
中等症 173 15.12 79.43
重症 76 17.43 81.70
超重症 48 20.21 85.15
不明 - - -
 成人市中肺炎の重症度別患者数等は、成人(20歳以上)の肺炎患者さんについて、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。市中肺炎とは、普段の生活の中で患う肺炎のことです。肺炎は罹患率が高いうえに死亡率も高く、悪性新生物、心疾患、老衰、脳血管疾患に次いで国民の死亡原因の上位にある疾患です。肺炎の治療には総合的な対応が求められるため、多種職によるチーム医療が必要となる疾患の一つと言えます。当院では肺炎症例が多いこともあり、市中肺炎・院内肺炎のガイドラインに準じて適正な抗菌薬を選択し、入院期間の短縮化・耐性化予防を図るとともに、重症症例では人工呼吸管理・栄養管理を含む全身管理を実施し、救命率の向上に努めています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 400 19.94 75.43 45.07
その他 6 17.67 73.33 0.49
脳梗塞の患者数等は、脳梗塞患者さんの患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。脳血管疾患も死亡率の上位に位置する疾患であり、脳梗塞の場合は早期に治療を行うことが特に効果的とされています。救急で搬送された患者さんも多く、受け入れには救急体制の確保が必要となります。当院における令和5年度の実績では、救急医療が必要な患者さんの割合は62.8%であり、30日以内に再入院となる患者さんの割合は1.2%、死亡退院となる患者さんの割合は6.3%です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 67 2.78 10.06 0.00 76.39
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 48 2.69 7.23 0.00 69.29
K6852 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの 25 2.88 6.48 0.00 77.44
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 25 0.52 2.88 0.00 66.68
K654 内視鏡的消化管止血術 22 1.23 11.14 0.00 70.45
 第1位「内視鏡的胆道ステント留置術」とは、胆管結石性胆管炎や胆管閉塞に対して胆管ステントを留置し、結石の嵌頓を解除したり胆汁を十二指腸に排泄する手術です。第2位「内視鏡的乳頭切開術」とは、総胆管結石に対して内視鏡を用いて電気メスで十二指腸の胆汁排泄口を切開する方法であり、第3位「内視鏡的胆道結石除去術」とは、総胆管結石症に対して内視鏡を用いて電気メスで十二指腸乳頭部を切開したあと、バスケット状のワイヤーを入れて結石を十二指腸に引き出す手術です。第4位の「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」とは、内視鏡を用いて大腸の粘膜にできたできもの(ポリープ)を切除したり、内視鏡を用いて平べったい形をしたポリープの粘膜下層に液体を注入してポリープを持ち上げ、電流によりポリープを焼き切る手術のことです。また、第5位「内視鏡的消化管止血術」は、胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室からの出血に対して内視鏡を用いて出血部位の止血処置を行う手術です。このように、消化器内科における手術のほとんどが内視鏡によるものとなります。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 253 1.18 2.34 0.40 70.04 アブレーション
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 122 1.56 2.47 1.64 71.81
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 66 1.23 2.15 0.00 63.27 アブレーション
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 58 1.50 1.66 1.72 75.29
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 51 3.41 6.22 3.92 78.12
 第1位、第3位の「経皮的カテーテル心筋焼灼術」は、不整脈(上室性頻脈症、心室頻脈症、心室性期外収縮、心房粗細動等)に対して不整脈の原因となる異常な電気の通り道をカテーテルで探して組織を冷凍凝固あるいは高周波電流で断ち切る治療で、アブレーションと呼ばれています。アブレーション時に有力な補助診断装置である3次元マッピングシステムも導入し、より的確な治療を目指しています。なお、第1位の「心房中隔穿刺、新外膜アプローチ」とは冷凍アブレーションと言われる手術であり、従来の高周波電流による治療と比べて手術時間が短く、1年非再発率といった治療成績が良好な治療法です。このように、当院は尾張北部医療圏においてアブレーションを積極的に行っている数少ない施設のひとつです。第2位の「経皮的冠動脈ステント留置術」はPCIといい、細くなってしまった冠動脈にステント(冠動脈内に留置するステンレス製のメッシュ構造をしたパイプ)を留置し血流を回復させる治療です。通常、予定のPCIでは2泊3日の入院をしていただいています。薬剤が徐々に血管壁へ溶け出す薬剤溶出性ステントは、冠動脈治療後の再狭窄(治療部位が数ヵ月後にまた細くなる現象)を予防する効果があり、現在、カテーテル治療の主流となっています。従来の治療では良い成績が得られなかった糖尿病の患者さんや細い血管、長い病変、分岐部の病変などにおいて、このステントを使用することで成績が向上しています。第4位の「四肢の血管拡張術・血栓除去術」は、閉塞性動脈硬化症に対してカテーテルを血管内に通してステントやバルーンを留置し、血管を広げて血管の詰まりなどを取り除く治療です。第5位の「ペースメーカー移植術」は、洞不全症候群や完全房室ブロックなどに対してペースメーカーと呼ばれる心臓に電気刺激を与えて心拍動を起こさせる装置を体内に埋め込む手術です。
 なお、生命を脅かす急性冠症候群(急性心筋梗塞・不安定狭心症)に対しては、24時間体制で小牧市周辺を中心とした尾張北部医療圏の急性期循環器疾患治療を担っています。緊急カテーテル治療は厳重な集中管理を行うことで救命に大きな成果をあげています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 37 4.46 8.41 2.70 75.86
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 - - - - -
 第1位の「末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)」とは、人工透析が必要な患者さんに対して動脈と静脈を皮膚の下でつなぎ合わせた血管(シャント血管)をつくり、静脈に流れる血液の量を増やして血液を取り出しやすくするための手術です。第2位の「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」とは、シャント血管が狭窄や閉塞した際に血栓吸引カテーテルなどを用いてシャント血管を再貫通させる手術のことであり、シャントPTAとも呼ばれています。
 他科での入院において実施したものや、主たる手術としてカウントされていない手術を含めると、2023年にはシャント手術を49件、経皮的血管形成術(シャントPTA)を12件実施しています。当院では、末期腎不全の治療法として、血液透析、腹膜透析、腎移植の全ての治療に対応しています。内シャント設置術は原則として入院で行っており、腹膜透析の場合には外科において腹膜透析カテーテル挿入術を、腎移植は泌尿器科で行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 113 1.05 3.65 0.00 60.45
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 87 1.00 7.01 0.00 64.94
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 69 1.03 1.32 0.00 73.14
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 54 2.35 11.13 0.00 70.48
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 34 1.00 1.94 0.00 61.65 腹腔鏡鼠径ヘルニア
第1位の「腹腔鏡下胆嚢摘出術」とは、胆嚢結石症や胆嚢炎の患者さんに対して行う手術であり、ラパコレとも呼ばれています。お腹の中に炭酸ガスを入れて腹腔内を膨らませ、腹腔鏡を用いて胆嚢を摘出する手術です。第2位の「乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)」とは、乳がんの患者さんに対して行う乳房全摘手術です。腋窩部郭清とは、わきの下にある腋窩リンパ節に転移がある場合にリンパ節とその周囲の脂肪組織を一塊にして切除する手術であり、この切除を省略するものが腋窩部郭清を伴わないものになります。腋窩郭清の省略については、がんが最初に到達するリンパ節を特定し(センチネルリンパ節生検)転移のないことを確認したうえで行っています。これにより不要な手術を避け、腕のむくみなど後遺症のリスクを減らすことができます。第3位の「ヘルニア手術 鼠径ヘルニア」及び第5位の「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」とは、いずれも脱腸に対して行う手術であり、前者は腹部を切開して行い、後者は腹腔鏡を用いて行います。それぞれメリットとデメリットがあります。第4位の「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」とは、結腸がんに対して行う手術であり、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」と同様に大きくお腹を切ることなく腹部に4~5か所の小さな穴をあけて腹腔鏡を挿入し、専門の手術機器を用いてがんと周辺のリンパ組織を取り除きます。大きくお腹を切らないため術後の痛みが少なく、身体への負担が少ない手術です。手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いて手術を行うこともあります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 61 0.25 9.11 11.48 79.16 慢性硬膜下血腫
K178-4 経皮的脳血栓回収術 46 0.48 18.63 65.22 72.28
K1781 脳血管内手術 1箇所 18 0.44 16.11 22.22 62.17
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 15 3.60 20.80 6.67 62.60
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 14 3.64 5.64 7.14 77.29
 第1位の「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」とは、慢性硬膜下血腫に対して頭蓋内に小さな穴をあけ、その穴からシリコン製のチューブを挿入して血腫を排出させ、必要に応じて血腫腔の洗浄を行う手術です。第2位の「経皮的脳血栓回収術」とは、脳梗塞に対して行う手術であり、足の付け根などからカテーテルを挿入して梗塞の原因となっている血栓の回収と閉塞の解消を図り、血流を再開させる治療です。第3位の「脳血管内手術」とは、脳動脈瘤などに対して行う手術であり、カテーテルを用いて動脈瘤の中にコイル(プラチナ製の柔軟なワイヤー状の管)を詰めることで血液が流れ込む隙間をなくし、脳動脈瘤の破裂を防ぐ治療です。第4位の「頭蓋内腫瘍摘出術」とは、脳腫瘍に対して行う手術であり、開頭もしくは内視鏡を用いて脳腫瘍を摘出する治療です。第5位の「経皮的頸動脈ステント留置術」とは、頸動脈狭窄などに対して行う手術であり、狭窄した血管に対してステントという筒状の器具を留置して血管を広げる治療です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 178 1.53 14.26 60.67 77.63 大腿骨頚部骨折
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 137 1.55 18.23 28.47 71.44 人工股関節置換術
人工膝関節置換術
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 85 4.25 18.24 87.06 82.19 人工骨頭置換術
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 65 1.71 2.98 7.69 47.91
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 64 3.39 7.58 23.44 54.22
 第1位、第4位、第5位の「骨折観血的手術」とは、ギプス固定では治療が難しい複雑な骨折や重度の骨折などに対して行う外科的手術です。第2位の「人工関節置換術」とは、怪我や疾患によって痛んだり変形した関節の表面を取り除いて人工関節に置き換える手術です。第3位の「人工骨頭挿入術」とは、骨折などによって損傷した大腿骨頭部分や上腕骨頭部分を切除し、金属やセラミックなどの人工骨頭に付け替える手術です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 82 1.00 3.91 0.00 47.34 腹腔鏡下手術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 61 1.07 3.85 0.00 40.36 腹腔鏡下手術
K867 子宮頸部(腟部)切除術 41 1.00 1.00 0.00 39.00 脊椎麻酔下膣式手術
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 開腹によるもの 31 1.06 6.29 0.00 53.81 開腹手術
K879 子宮悪性腫瘍手術 30 1.07 6.27 0.00 58.13 開腹手術
 第1位の「腹腔鏡下膣式子宮全摘術」とは、子宮筋腫や子宮内膜症などの患者さんに行う手術で、開腹せずに膣の方から内視鏡や手術用機器を挿入して子宮を摘出する手術です。第2位、第4位の「子宮附属器腫瘍摘出術」とは、卵巣の良性腫瘍などの患者さんに行う手術で、腹腔鏡や開腹によって卵管と卵巣を摘出する手術です。第3位の「子宮頸部(膣部)切除術」とは、子宮頸部異形成などの患者さんに行う手術で、膣から子宮の出口(頸部)を薄く切り取る手術です。第5位の「子宮悪性腫瘍手術」とは、子宮体がんや子宮頸がんの患者さんに行う手術で、癌のある部分とその周辺組織を切除する手術です。
 上記の表からは除外対象となっておりますが、2023年度においては、帝王切開術(選択帝王切開)123件、帝王切開術(緊急帝王切開)54件を実施しています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 62 1.16 6.94 0.00 27.02 口蓋扁桃摘出術
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 37 1.30 4.14 0.00 50.84 全身麻酔ESS
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(骨、軟骨手術) 17 1.00 4.00 0.00 46.47
K370 アデノイド切除術 14 1.00 5.29 0.00 5.29
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 11 0.55 5.00 0.00 40.64
 第1位の「口蓋扁桃手術」とは、慢性扁桃炎などの患者さんに対して行う手術で、基本的には全身麻酔で行います。開口器で大きく口を開き電子メスなどを用いて両側の口蓋扁桃を摘出します。第2位と第3位の「内視鏡下鼻・副鼻腔手術」とは、慢性副鼻腔炎などの患者さんに行う手術で、内視鏡を用いて炎症によって腫れている副鼻腔内の粘膜を切除し、副鼻腔と鼻腔の空気の通りを改善する手術です。内視鏡下鼻・副鼻腔手術には5つの術式があり、病態によってその術式を選択します。Ⅰ型は「副鼻腔自然開口手術」で鼻茸(鼻ポリープ)を切除する手術、Ⅲ型は「選択的(複数洞)副鼻腔手術」で副鼻腔のうち2つ以上を開放して炎症を起こしている粘膜を除去する手術です。第4位の「アデノイド切除術」では、アデノイド(喉の奥にあるリンパ組織)が大きく鼻づまりや中耳炎の原因となっている状態の患者さんに対して行う手術で、その多くは7歳以下の小児の患者さんです。口からアデノイド切除用の特殊なメスを入れてアデノイドを切除する手術です。第5位の「扁桃周囲膿瘍切開術」とは、扁桃周囲膿瘍(扁桃の奥に膿が蓄積した状態)の患者さんに行う手術で、のどに麻酔をした後に口から膿瘍を切開し膿出する手術です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 161 1.16 2.02 0.62 59.46 PNL・TAP
脊椎麻酔・硬膜外麻酔手術
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 161 1.04 1.25 0.00 74.83 脊椎麻酔・硬膜外麻酔手術
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 71 1.10 7.77 0.00 71.99 ロボット支援手術(前立腺・腎)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 46 0.59 11.93 2.17 73.43
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 34 0.00 1.00 0.00 51.53 体外衝撃波結石破砕術
 第1位の「経尿道的尿路結石除去術(レーザー)」とは、腎結石症、腎盂結石症または尿管結石症に対して内視鏡を用いてレーザーで結石を破砕・摘出する手術です。第2位の「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)」とは、膀胱がんに対して行う手術であり、水を膀胱内に注入しながら内視鏡を尿道を通して膀胱内に挿入し、腫瘍を切除する手術です。第3位の「腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)」とは、前立腺がんに対して手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いて前立腺を摘出する手術です。第4位の「経尿道的尿管ステント留置術」とは、前立腺肥大症や難治性尿道狭窄などによって排尿困難な患者さんに対して行う手術であり、尿道の入り口から膀胱へ内視鏡を入れて尿管のカテーテル(ステント)を留置する手術です。第5位の「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術」とは、尿管結石に対して体の外から衝撃波エネルギーをあてて結石を破砕する治療で、ESWLとも呼ばれています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 35 3.34 23.77 2.86 66.86 心臓血管外科手術
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 28 2.11 6.79 3.57 77.68 人工血管置換術
K5551 弁置換術 1弁のもの 13 1.00 20.31 7.69 69.15 心臓血管外科手術
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの - - - - - 心臓血管外科手術
K5552 弁置換術 2弁のもの - - - - - 心臓血管外科手術
 第1位、第4位の「冠動脈、大動脈バイパス移植術」とは、虚血性心疾患(動脈硬化や血栓で心臓の血管が狭くなり、心筋に血液や酸素が行き渡らない状態)に対して開胸して詰まった冠動脈の先に迂回路(バイパス)をつくる手術です。第2位の「ステントグラフト内挿術(腹部大動脈瘤)」とは、腹部大動脈瘤に対して行う手術であり、カテーテルを足の付け根から動脈内に挿入し、動脈瘤があるところまで運んだ後に格納しているステントグラフト(人工血管にステントといわれるバネ状の金属を取り付けたもの)を留置することで大動脈瘤破裂による突然死を防ぐ手術です。第3位、第5位の「弁置換術」とは、弁狭窄症などに対して行う手術であり、動脈硬化などによって壊れた心臓の弁を人工の弁(金属製の器械弁もしくは豚や牛の組織からつくられた生体弁)に交換する手術です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 51 1.84 7.18 0.00 70.92
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 32 5.59 4.38 0.00 36.88
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 30 1.83 4.47 0.00 74.17
K5143 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 26 2.15 10.42 3.85 71.85
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 23 1.78 7.22 0.00 70.78
 第1位、第3位、第5位の「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術」とは、肺がんの患者さんに対して行う手術で胸腔鏡や手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いて肺を切除する手術です。切除する範囲によって3つに分類され、肺の外側の一部を部分的に切除するものは部分切除(楔状(けつじょう)切除)、部分切除よりも大きく1つの肺葉(肺の表面にある深い切れ込みによって区分けされ、右肺には上葉・中葉・下葉の3つ、左肺には上葉・下葉の2つがある)よりも小さな区域を切除するものは区域切除、1つの肺葉以上の切除を行うものは肺葉切除又は1肺葉を超える切除となります。第2位の「胸腔鏡下肺切除 肺嚢胞手術」とは、胸腔鏡を用いて行う気胸の手術です。胸に3か所の穴をあけて内視鏡や手術器械を挿入し、胸の中をモニターで見ながら肺の表面の嚢胞を切除する手術です。第4位の「肺悪性腫瘍手術」は肺がんの手術で開胸して行う手術です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 26 0.21
異なる 45 0.36
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 63 0.51
異なる 22 0.18
 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)は、臨床上ゼロにはなり得ないものの少しでも改善すべきものとして定義されている感染症や合併症の症例数と発生率を集計したものです。
 「入院契機と同一」とは上記の傷病名がきっかけで入院した患者さんのことであり、「入院契機と異なる」とは入院のきっかけとなった疾患は上記の傷病名ではないものの、その後に上記傷病名を発症し、入院契機の疾患より多くの医療資源(治療)を費やした患者さんのことです。また、「手術・処置等の合併症」とは、主に手術後の出血、手術後の創部感染、人工関節の脱臼やゆるみなどです。
 一般的に発生率が低いほど医療の質が良いとされていますが、患者さん自身の免疫力が低下している場合に合併して発生することが多いことから、コントロールが困難な症例でもあります。当院は尾張北部医療圏における三次救急医療機関であることから、重篤な疾患の合併症として発生するケースが多いといえます。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1,997 1,996 98.45
 肺血栓塞栓症とは、肺の血管に血のかたまり(血栓)が詰まって、突然、呼吸困難や胸痛、ときには心停止をきたす危険な病気です。耳にしたことがあるかもしれませんが「エコノミークラス症候群」がこれにあたり、長期入院や手術により運動制限や安静が必要になることから深部動脈血種症および肺血栓塞栓症を発生する危険が高くなります。この指標は、「肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症予防ガイドライン」に基づいて、弾性ストッキングの着用、間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固薬などの薬物的予防など、肺血栓塞栓症予防の実施状況を示すものです。予防対策の実施率が高いほど、医療の質が高いといえます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
5,663 4,514 79.71
 血液培養とは、患者さんの血液中に細菌が侵入していないかどうかを調べるための検査です。血液内に細菌が侵入している状態を「菌血症」と呼び、血流に入った菌が全身を飛び散って感染が拡大したり、生体の過剰な反応によって「敗血症」と呼ばれる深刻な病態を引き起こすことがあります。
 血液培養の採血の際、慎重に皮膚を消毒しても皮膚の常在菌の混入を完全に防ぐことはできません。1セットでは検出された菌が血液中のものなのか、皮膚の常在菌なのかの判定があいまいにある恐れがあることから、異なる部位から2セット採取することが推奨されています。このため、血液培養2セット実施率が高いほど、より医療の質が高いといえます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1,254 1,159 92.42
 細菌に対して効果を発揮する範囲を示したものを抗菌スペクトルといい、いろいろな細菌に効果を発揮する抗菌薬を広域スペクトル抗菌薬といいます。現在、抗菌薬に対して耐性を持った細菌感染の症例が増加していることが世界的な問題となっています。過度な抗菌薬の使用は細菌の耐性を強め、より強い耐性をもった細菌の発生や蔓延を引き起こす恐れがあることから、抗菌薬適正使用支援チームを組織するなど全国的に抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。
 抗菌薬の適正使用を実現するためには、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査の結果に基づいた抗菌薬の選択が必要であり、広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率が高いほど、医療の質が高いといえます。
更新履歴
2024.9.30
新規掲載